リーバイス4大ヴィンテージモデルの見分け方 ~大戦モデル~

こんにちは、令和です。

言わずと知れたジーンズの元祖〈リーバイス〉。
看板モデルの「501」は1873年に誕生して以降、
人々のニーズや技術革新とともにマイナーチェンジを繰り返し、
進化を遂げてきました。

そして現代では、あらゆるブランドから多種多様なジーンズが提案されていますが、
なかには歴代の「501」からインスピレーションを得たデザインも少なくありません。
つまりヴィンテージの名作を理解することで、最新のデニム、
延いては今日のカジュアルファッションに対する見方も違ってきます。

また、若かりし頃に古着に傾倒したという諸兄も覚えた知識を忘れていたり、
当時と現在では見解が変わったことも多々。
ここではヴィンテージジーンズを語るうえで外せない、
主要4モデルをフォーカスし、それぞれの特徴を解説します。

今回は、「大戦モデル」ついて書いていきます。
1つの記事にしてしまうと少し、長くなるので
4つに分けて投稿させてもらいます。

■リーバイス・S501XX “大戦モデル”

長い歴史をもつ「501」のなかでも、
第二次大戦の1942~46年に製造されたモデルは、
少々マニアックなツウ好みのヴィンテージです。
別名 “WWll(World War ll)モデル”とも呼ばれます。

第二次大戦下のアメリカで行われた物資統制。
それはジーンズもご多分に漏れず、さまざまな仕様の簡略化が義務づけられることに。

なかでも、月桂樹が刻印されたボタンや無地のドーナツ型ボタンといった
廉価な既製パーツ、通常よりボタンの数が少ないフライフロント、
軍用のヘリンボーンツイルやチェックのシャツ地で
代用されたポケットの裏地などは、
当時にのみ見られた特異なディテールであり、
そこには統一性のない多種多様なタイプが存在します。

〈リーバイス〉では通常の製品とは異なることを示すため、
品番の頭文字に“ Simplified(簡素化された) ” を意味する
「S」の記号を追加し、1946年までこれが続きました。

・コインポケットのリベットが省略されている

1870年代の誕生から現在まで、
「501」のコインポケットは金属リベットで補強されているのが通常。

しかし戦時物価統制局の通達を受け、その省略が余儀なくされた。
大戦モデルにのみ見られるレアな仕様である。

・バックポケットのステッチはペイントに変更

ブランドアイコンであるバックポケットのアーキュエイトステッチも、
物資統制の対象になり省略。

代用としてステンシルペイントでステッチを描くという苦肉の対策がとられたが、
洗濯によって消えてしまうのが難点だった。

そのため現在まで未着用のまま残るデッドストックを除き、
ヴィンテージで見つかる個体は写真のように無地の状態になったモノがほとんど。
当時はニセモノと思われることも多かったという。

・赤タブのブランド名は片面のみ

1936年に初採用されたバックポケットの赤タブ。

現行品では両面にブランド名が織り込まれているが、
その最初期にあたる当時は前面に文字が入り、裏は無地という片側のみのデザイン。
’50年代中頃までのディテールとなり、年代識別のポイントになる。

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